めだかの学校 よもやま話 第5話( 2022-3-8)

 一年目の「つみくさ」での出来事やエピソードなどです。人と人とがつながっていく面白さ、いいですね。 

 『夜はシ~ン・・・』
 宿直室へ泊りながらの単身赴任。夜はシ~ンとして、ひとっこひとりも通らない。・・・ところが夜になると女の人の声が。「ハ~イ」と玄関に出てみてもロビーをみても誰もいない。そんなことが何回か、背すじがブルブルブル。おかしいなァ。戻り際に後ろの方から女の人の声が。振り返ってみてもいない。こんなところに電話機? そこから聞こえてくる。有線放送だった。いゃ~マイッタマイッタ、そんなことも知らない私だった。
 そのような時、竜ヶ岩洞内にあるアイスクリーム「マテリア」の店長の名倉さんが「社長に『榊原さんが淋しいだろうから慰めに行ってやってくれ』と頼まれた」と夜遊びに来てくれるようになった。「榊原さん、将棋できる?ぼく初段だけど」「できるよ、私ははしご段」。やったら、なんと私が勝ってしまった。その日から毎晩、切った張ったの将棋三昧。時には戸田昭朗社長も参加して三ツ巴戦も。ついには西部地区の将棋大会をやる羽目になってしまった。2階大広間でワイワイガヤガヤと。いや~色々の人と知り合いになった。
 そんなある日、名倉さんから「舘山寺のハーブ園でジャズコンサートがあるから行かない?」と誘われる。初めてのジャズコンサート。ドラムとベースだったか、その迫力のあることあること。凄~い! 早速ドラマーの坂柳博明さんと、コーディネーターの奥さんに「つみくさ」でのコンサートを交渉。願いが叶って「つみくさ」のロビーでジャズコンサート。なんと20数回も。音楽好きの中日新聞東海本社の成田記者、その都度告知記事を書いてくれた。上司から「書きすぎだ」と叱責を受けた、だって。(笑)
 人とのつながりは面白いもので、近くの奥山郵便局長から「SBSの『そこ知り』の番組をみたんだけど、今度は津軽三味線もやって欲しい」との依頼。早速SBSの知人を通して津軽三味線奏者の白井勝文さんの電話番号を聞いて電話。「静岡で会おう」と静岡に帰った時に会う。会ってびっくり。平成の坊さまと言うのでどんな人かな、と思っていたら颯爽としたいい男。おまけに調子のいいこと、いいこと。意気投合しちゃって、『つみくさ料理と津軽三味線』企画書を作って観光会社に売り込みにも行こう、と。先ずは奥山方広寺で小手調べの演奏。2月の寒い日だったが、坊さまの姿で。通りかかった参拝者の人たちが聞いたあとおさい銭を置いていく。これまたびっくり。この企画浜松はもちろん名古屋の静岡県観光案内所にも売り込みに。榊原所長さん、中日新聞本社やジェアール東海ツアーズにも売り込んでくれた。おかげさまで浜松や名古屋の観光会社が企画してくれて、企画は大成功。白井さんに『ギャラは?』と聞けば『投げ銭でいい』という。そんなァ~と思いつつ、やってみると、実感。なんと一万円を封筒に入れてくれる人も。まさに平成の坊さま。
 「つみくさ」オープンして1ヵ月過ぎたころの5月の連休に磐田市の地域情報誌「ぱんぷきん」の小林佳弘社長が取材に来てくれた。「お客さんがいないと思ったが結構いるね!」と笑って言う。たっぷりと記事を書いてくれた。伊藤茂男さんの人脈は凄い。「人たらし」と言われるだけある。引佐町役場を定年となった伊藤さんと倉田哲次さん。定年の返礼に『つみくさの食事券』を配ってくれた。『草だけ⁈』と少し引き気味の人たちの後ろを押してくれた。そのおかげもあるかも。口コミも。
 あ、そうそう、こんなことも。「つみくさ」に来たお客さんがいきなり「ここ霊感が強いね~」と言う。そう言えば、話はちょっとあとになるが、、浜松市の収集家が木彫りの上半身裸体像6体をインドネシアから仕入れてきたが置く場所がない。竜ヶ岩洞も無理で「つみくさ」で預かることに。ロビーに展示する。昼間は感じないが夜ロビーにいくと、なぜか背すじがぞくっとする。そんな馬鹿な・・・やっぱりロビーにいくとゾクッと・・・恐わ~。そんな繰り返しのなか、恐る恐る声をかけながら裸体像を毎日のようになでる。そのうちゾクッとすることが少しずつ和らいでくる。そんなある日、フラワーパークの加茂さんの紹介だと言って、ネパールで霊感の体験をしてきたと言う女性が訪ねてくる。夕方2人でロビーで話していると、「榊原さん、気がついている?」「エッ、なんのこと」「木像がみんな榊原さんのところを見てる・・・」。「実はこんなことがあって毎日木像に声をかけながらなでている」と言うと、「いいことしてるね」だって。よかったァ~。それにしてもこの木像、「つみくさ」の雰囲気に合わないと、ロビーの床の貼りかえを理由に持ち主に返還した。
 まだまだおしゃべりしたいこといっぱいありますが、次回に回しますね。次回はも~と恐い話ですぞ! お楽しみに・・・。
 次回から、「おもしろ人立 めだかの学校」へも移っていきます。
 では、また。ご機嫌よう~。

事務局 言い出しっぺ 榊原幸雄

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